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国立研究開発法人 防災科学技術研究所(防災科研)の「自然災害情報の利活用に基づく災害対策に関する研究プロジェクト」が主体となって作成している「地域防災Web」のページです。

【防災教育チャレンジプラン2021年度優秀賞】千葉県立銚子高等学校:県銚ぼうさい探究!

概要

ID 手法・事例00145033
タイトル 【防災教育チャレンジプラン2021年度優秀賞】千葉県立銚子高等学校:県銚ぼうさい探究!
防災対策テーマ
  • 学校等での防災教育の実施
対策の種別
目的・背景(なぜ行ったのか)

・本団体は、千葉県北東部の全日制普通科高等学校である。銚子市は少子化と高齢化が進んでおり、災害発生時に自助・共助の観点から高校生が果たせる役割は大きい。
・また、日本各地で毎年のように災害が発生しており、卒業後の将来、災害に直面したり、復旧・復興を支援したりする可能性がある。
・そのため、防災教育の充実を図り、事前の防災対策や復興等について考え、理解を深めておくことが重要である。
・また、地域によって自然災害の種類や被害規模の可能性に差があり、時代とともに社会も変化していくことから、防災について、絶えず学び続ける姿勢を身に付けることが課題である。
・本校生徒が、これまでの災害や復興の歴史について学び、未来探究型学習に取り組むことで、地域社会へ貢献できる人材の育成を目的としている。

活動の概要

(1)防災に関する室内学習
・次のテーマで教室内での防災に関する学習を行った。
①メディア、心理学、歴史をテーマとした学習
②積層図作成とハザードマップ、銚子市内の危険箇所の検討
③防災対策に関するグループ学習

 

(2)銚子市内でのフィールドワーク
・クラスごとに4グループに分かれ、銚子市内の4地域で地形や過去の災害履歴に関するフィールドワークを実施し、レポート作成を行った。

 

(3)専門家による講演
・海洋のプラスティック問題に関して専門家を招いて講義を受けた。

 

(4)1年間の学習成果に関する発表コンクール
・学年・クラスごとにパワーポイントによる発表資料を作成して発表コンクールを行い、1位、2位のクラスの表彰を行った。

詳細

目次
  1. 内容
  2. 達成目標
  3. 達成度
  4. 必要条件
  5. 関連情報
  6. メッセージ
  7. 手法・事例の属性
内容
内容・方法

①メディア、心理学、歴史をテーマとした学習
・伝言ゲームを行った上で、災害時のデマやSNSのフェイクニュースなど、正確な情報かどうか、受け手の判断能力が重要であることを学習。
・正常性バイアスについて、韓国地下鉄放火事件や西日本豪雨の例を例に学習。
・西日本豪雨、東日本大震災、及び銚子市内の災害石碑を例に郷土に伝わる災害の記録は減災の足掛かりとなることを学習。

 

②積層図作成とハザードマップ、銚子市内の危険箇所の検討
・等高線入り地図から積層図を作成。
・作成した積層図と東日本大震災時の浸水区域、ハザードマップを比較し、銚子市内の危険箇所を検討した。

 

      

 

③防災対策に関するグループ学習
・グループごとにテーマを設定し、図書室やPC室で資料を集め、考えや意見をまとめて相互に発表し、成果や考えを共有し、意見交換によって学びの深化を図った。

 

        

 

④フィールドワーク
・クラスごとに1組〈屏風ヶ浦・名洗コース〉、2組〈外川コース〉、3組〈犬吠・君ヶ浜コース〉、4組〈街中コース〉に分かれて現地の地形や過去の災害の歴史等に関するフィールドワークを行い、その後学習成果についてレポートを作成した。

 

1組〈屏風ヶ浦・名洗コース〉

屏風ケ浦の崖や縄文海進以降にできた低地をめぐり、土地形成のプロセスと災害のリスクを考えた。

        

 

2組〈外川コース〉

巧みに地形を利用して作り上げた人工的漁業集落のまちづくりのコンセプトと外川を襲った自然災害・そこにおける防災機能の可能性について考えた。

        

 

3組〈犬吠・君ヶ浜コース〉

犬吠埼‐君ケ浜‐小畑池をめぐりながら、津波の侵入した経路とその地形の形成を考えた。

        

 

4組〈街中コース〉

銚子発展の痕跡をたどりながら、平野の形成、都市部を流れる小河川(滑川)の災害リスクを考えた。

        

 

⑤専門家による海のプラスティック問題講義
・専門家を招いて近年問題のプラスチックなどが、海流でどのように運ばれているか等について学び、持続可能な社会のために、海の豊かさを守ることの大切さや、日常において可能な取組について学んだ。

 

        

 

⑥探究型学習成果発表会
・パワーポイントを使った発表用スライドを作成して学年ごとに発表リハーサルを実施。
・各学年優秀班を1班ずつ選出し、最も優れている班にアカデミア最優秀賞を、もう一方の班に優秀賞を授与した。

 

        

 

課題・苦労・工夫

・ジオツアー等で実際に見たり、感じたりと体験的に学ぶ中で、防災につながる発見に喜びを感じていた。

・コロナ禍において、学びの充実度を向上させるためにオンライン等の手法を一層活用していくことが必要だと感じた。

得られた成果

・講義①防災×メディアを通じて、情報の正確性を正しく判断するようにするとともに、自身の情報発信時にも注意していく必要があることを理解した。

・積層図を作成することにより、地形を立体的に再現することができ、ハザードマップを比較検討して地域の災害に対するリスクや避難計画について深く考えることができた。

・銚子市内でフィールドワークを行うことで、これまでの災害や戦災を乗り越えて、今の銚子があるということを認識することができた。

・学習成果発表会を通じて生徒のプレゼンテーション能力が飛躍的に向上した。

実践者
種別 氏名 連絡先 グループ名 地域防災Web 連絡
学校防災担当 山﨑 猛浩 千葉県立銚子高等学校 防災対策情報推奨用(試験ページ)
関係者
種別 氏名 連絡先 グループ名 地域防災Web 連絡
地域関係者 銚子ジオパーク推進協議会 なし
研究者 千葉科学大学 なし
地域関係者 銚子市役所 総務課 危機管理室 なし
関係者説明

千葉県立銚子高等学校
1学年の学校設定教科「防災の学び」、2学年の「総合的な探究の時間」を活用し、防災をはじめとする探究型学習に取り組んでいる。
東日本大震災では、学校所在地の銚子市をはじめ、生徒の居住地も津波や液状化の被害を受けた。その後も、日本各地において、地震をはじめとする災害が発生し、防災教育の充実が重要であるとの認識から、学校設定教科「防災の学び」がスタートした。
以来、年々実践内容を発展させながら、生徒が主体的に取り組める防災教育の充実を目指してきた。探究型学習を中心とし、地元の大学やジオパーク推進室、銚子市役所との連携を密にし、本校生徒の防災に関する学びを深めることや、その内容を、小中学生や住民の方々へ発信することにより、地域貢献も大切にしている。
これまでの、地域に根ざした防災教育や探究活動の実践が評価され、2020年度、学校安全表彰文部科学大臣表彰をいただいた。

 

銚子ジオパーク推進協議会
ジオパークは地質遺産を含む自然の保護に加え、それらを教育やツーリズムに積極的に活用し、地域の持続的な活性化を目的としている

 

千葉科学大学
近隣の大学。危機管理学部をはじめ、本校の教育実践に御協力いただいている。

 

銚子市役所 総務課 危機管理室
避難場所設置体験等でお世話になっている。

実践人数
10
実践開始日時 2021年04月04日
実践終了日時 2022年01月20日
実践地域
千葉県
銚子市
実践場所
千葉県立銚子高等学校 教室、体育館、図書室・PC室、千葉県銚子市 ジオパーク各地点
参加対象
参加人数
190
報告資料・成果物

報告書全体(一括閲覧)千葉県立銚子高校(全体).pdf
実践団体情報(概要)千葉県立銚子高校(概要).pdf
プラン1千葉県立銚子高校1.pdf
プラン2千葉県立銚子高校2.pdf
プラン3千葉県立銚子高校3.pdf
プラン4千葉県立銚子高校4.pdf
プラン5千葉県立銚子高校5.pdf

プラン6千葉県立銚子高校6.pdf

使用経費

0円~100,000円

補助金情報 なし
達成目標
知能・技能を身に着ける 大いに
思考力・判断力・表現力を身に着ける かなり
学びに向かう力・人間性を身に着ける 大いに
施設・設備を整備する なし
達成度
知能・技能を身に着ける 大いに
思考力・判断力・表現力を身に着ける 大いに
学びに向かう力・人間性を身に着ける 大いに
施設・設備を整備する なし
必要条件
導入予算
なし
継続予算
なし
準備の所要時間
13 日
実践の所要時間
7 時間
必要な場所
必要な能力、人材、機材、ツール、知識等

※詳細は各プランの報告書を参照のこと

導入手順・工程表

年間活動記録千葉県立銚子高校(年間活動記録).pdf

関連情報 なし
メッセージ
メッセージ
なし
実践事例の属性
対象ハザード
対象リスク
なし
固有災害名称
なし
入力者グループ
名前など 地域防災Web
三浦伸也
入力者 運営事務局
メモ

※「1.内容/(7)実践人数・(13)参加人数」の値は、プランごとの人数の平均値を使用
※「4.必要条件/(3)準備の所要時間・(4)実践の所要時間」の値は、プランごとの該当時間の平均値を使用