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国立研究開発法人 防災科学技術研究所(防災科研)の「自然災害情報の利活用に基づく災害対策に関する研究プロジェクト」が主体となって作成している「地域防災Web」のページです。

【防災教育チャレンジプラン2021年度 特別賞】長岡技術科学大学:地域レジリエンス力獲得のための防災ワクチンTM教材の開発

概要

ID 手法・事例00145216
タイトル 【防災教育チャレンジプラン2021年度 特別賞】長岡技術科学大学:地域レジリエンス力獲得のための防災ワクチンTM教材の開発
防災対策テーマ
  • 防災研究・講演会、防災教育等の実施
  • 外部向けの広報活動
対策の種別
目的・背景(なぜ行ったのか)

本学では、地域の小中高生を対象に科学教室を実施してきた。
これまで構築してきた地域ネットワークを活用し、SDGsハブ大学として激甚化する災害に対する地域へのレジリエンス力向上を図るための防災教育を着想した。本防災教育では、弱毒化した災害体験により、地域の主体性を高め免疫力を向上する方法である「防災ワクチン®」の概念のもと総合的な防災力を養うことを目的とした。
そのために、災害の模擬体験を行うことで自分達の持つ災害対応力を向上させる「防災ワクチン®」教材として開発しその効果を確認し、この教育教材の活用方法について産学官で検討した。
開発した「防災ワクチン®」教材は、災害が発生したときに生じる現象を想像し、実際に触れて体感してもらい、災害への復旧を考えてもらえるような実験キットで、水害発生時に浸水した家屋内の電気ブレーカーを再現し、電気が水を通しやすいことや通電火災が発生するメカニズムを学習する。
本防災教育によってSDGsゴールに貢献するように「防災ワクチン®」が浸透し、各家庭や地域コミュニティへ波及していくことでレジリエンス力を有する地域の形成を目指した。

活動の概要

①「防災ワクチン®」教材(ブレーカー実験キット)の開発
・電気工事会社に本学のキットを既存品と比較評価してもらい、それに基づき安全かつ軽量化できるように再設計した。

 

②「防災ワクチン®」教材を用いた出前授業
・教材である電気ブレーカーキットなどを用いて小学生に出前授業を行い、その学習効果を測定した。また、防災教育関係者に見学してもらいフィードバックをもらった。

 

③学習指導要領との整合性の確認
・開発を行ってきた「防災ワクチン®」教材について小中学校との学習指導要領と整合性について確認し、展開可能な授業を明らかにした。

 

④佐渡島天地人サイエンスプロジェクトでの出前授業
・佐渡島の子供たちに出前授業を行い「防災ワクチン®」の効果を浸透させるとともに、フィードバックをいただきキットの改良を目指した。

 

⑤「危機管理産業展」・「感染症対策·防災産業展示会2021in新潟」への出展
・「危機管理産業展」、「感染症対策·防災産業展示会2021in新潟」に「防災ワクチン®」教材キットを出展し、同教材の認知度拡大を図った。

詳細

目次
  1. 内容
  2. 達成目標
  3. 達成度
  4. 必要条件
  5. 関連情報
  6. メッセージ
  7. 手法・事例の属性
内容
内容・方法

①「防災ワクチン®」教材(ブレーカー実験キット)の開発
・関係者に過去に電力会社で作成した電気ブレーカーキットと本学で作成した電気ブレーカーキットを見学してもらい、その問題点について議論した。
・これまでの電気ブレーカーキットをもとに安全性と軽量化に考慮した図面の作成を行った。

 

 

②「防災ワクチン®」教材を用いた出前授業
・葛巻小学校でこれまで行ってきた防災教育について振り返り学習を行った後、事前アンケートを行った。
・①で作製した電気ブレーカーキットを使用した授業を行い、また地震メカニズム再現キットを用いた学習を行って、最後に、アンケートに回答してもらった。

 

            

 

③学習指導要領との整合性の確認
・小中学校の学習指導要領について確認し、小学校3年生から中学3年生までの理科、社会、国語、技術の教科で、本「防災ワクチン®」教材が適用可能を確認した。
・これまで行ってきた出前授業をもとに防災学習指導案を作成した。

 

④佐渡島天地人サイエンスプロジェクトでの出前授業
・佐渡島で開催される佐渡島天地人サイエンスプロジェクトで、保護者も一緒に参加して小学生低学年を対象に60分×4回の出前授業を行う予定だったが、新型コロナウィルス感染拡大のため科学教室開催を中止した。

 

⑤「危機管理産業展」・「感染症対策·防災産業展示会2021in新潟」への出展
・「危機防災管理展2021」新潟県/にいがた産業創造機構の展示ブースにて本プログラムで製作した電力ブレーカーキットの展示を行った。
・「感染症対策·防災産業展示会2021in新潟」の展示ブースにて本プログラムで製作した電力ブレーカーキットの展示を行った。
 

        

課題・苦労・工夫

①「防災ワクチン®」教材(ブレーカー実験キット)の開発
・新型コロナウィルス感染拡大により必要な資材の調達に苦労した
・様々な専門をバックグランドにもつ技術者や防災関係者が意見を出し合いキットを製作することによって色々な意見を反映できて良いキットができた。
・製造責任など製品化に必要なハードルについて学習することができた。

 

③学習指導要領との整合性の確認
・実践現場の意見を配慮しながら調整することに苦労した。

 

⑤「危機管理産業展」・「感染症対策·防災産業展示会2021in新潟」への出展
・実際にキットを使用してもらったところ水害が発生したイメージを持ちづらいとの意見があった。

得られた成果

①「防災ワクチン®」教材(ブレーカー実験キット)の開発
・電気工事業者などの協力を得てリチウムイオンバッテリーのみで授業を行えるようになった。

 

②「防災ワクチン®」教材を用いた出前授業
・電気ブレーカーキットの他に放電を再現したキットを使用したところ小学生への評判が良かった。

 

④佐渡島天地人サイエンスプロジェクトでの出前授業
・新型コロナウィルス感染拡大のため科学教室開催を中止したため成果はなかったが多くの参加申し込みがあり、次年度以降も出展したいと考えている。

 

⑤「危機管理産業展」・「感染症対策·防災産業展示会2021in新潟」への出展
・官公庁·企業のことに使用感を確かめていただき様々なコメント、アドバイスをいただいた。
・製品化に興味がある教材メーカーなどとも情報交換ができ、社会実装に向けて有意義であった。
・実際にキット製作に取り組んでくれる新潟県内の企業とマッチングが成立した。

実践者
種別 氏名 連絡先 グループ名 地域防災Web 連絡
なし なし なし 防災対策情報推奨用(試験ページ)
学校防災担当 助教: 渡利高大 長岡技術科学大学
学校防災担当 助教: ヌル·アデリン 長岡技術科学大学
関係者
種別 氏名 連絡先 グループ名 地域防災Web 連絡
事業者 水澤電機株式会社 なし
地域関係者 NPO法人ふるさと未来創造堂 なし
地域関係者 長岡市産業イノベーション課 なし
地域関係者 見附市立葛巻小学校 なし
地域関係者 佐渡市役所 なし
地域関係者 新潟県産業労働部産業政策課産業政策グループ なし
その他 公益財団法人にいがた産業創造機構 なし
関係者説明

長岡技術科学大学

長岡技術科学大学は、実践的な技術の開発を主眼として教育研究を行う大学院に重点をおいた工学系の大学として1976年に開学した。本学は「UNESCO Chair on Engineering Education for Sustainable Development」として日本の工学系大学初のユネスコチェアプログラムに認定を受けるとともに国連からアカデミック・インパクトSDGs ゴール9(産業と技術革新の基盤を作ろう)の世界ハブ大学に任命されている。2020 年度から東京電力ホールディング株式会社と防災・減災に関する共同研究プロジェクトの設立に向けた包括連携協定を行い、新たな防災教育コンテンツの開発に取り組んでいる。

 

水澤電機株式会社
電気ブレーカーキットの図面作成

 

NPO法人ふるさと未来創造堂
電気ブレーカーキットの監修

 

長岡市産業イノベーション課
電気ブレーカーキットに制作に関わる補助金

 

見附市立葛巻小学校
出前授業を行った小学校
 

佐渡市役所
科学教室の主催

 

新潟県産業労働部産業政策課産業政策グループ
展示会出展にあたりサポートいただいた

 

公益財団法人にいがた産業創造機構
展示会出展にあたりサポートいただいた
 

実践人数
11
実践開始日時 2021年05月25日
実践終了日時 2021年11月30日
実践地域
新潟県
新潟市北区
新潟市東区
新潟市中央区
新潟市江南区
新潟市秋葉区
新潟市南区
新潟市西区
新潟市西蒲区
長岡市
佐渡市
実践場所
会議室·長岡市内製造会社、見附市立葛巻小学校、長岡技術科学大学、アミューズメント佐渡、東京ビックサイト、朱鷺メッセ
参加対象
参加人数
65
報告資料・成果物

報告書全体(一括閲覧)長岡技術科学大(全体).pdf
実践団体情報(概要)長岡技術科学大(概要).pdf
プラン1長岡技術科学大01.pdf
プラン2長岡技術科学大02.pdf
プラン3長岡技術科学大03.pdf
プラン4長岡技術科学大04.pdf
プラン5長岡技術科学大05.pdf
プラン6長岡技術科学大06.pdf

使用経費

30万円~300万円

補助金情報 なし
達成目標
知能・技能を身に着ける かなり
思考力・判断力・表現力を身に着ける 大いに
学びに向かう力・人間性を身に着ける 大いに
施設・設備を整備する なし
達成度
知能・技能を身に着ける かなり
思考力・判断力・表現力を身に着ける 大いに
学びに向かう力・人間性を身に着ける かなり
施設・設備を整備する なし
必要条件
導入予算
なし
継続予算
なし
準備の所要時間
47 日
実践の所要時間
104 時間
必要な場所
必要な能力、人材、機材、ツール、知識等

※各実践で用いた人材、ツール等は個別プランの報告書を参照のこと

導入手順・工程表

年間活動記録長岡技術科学大(年間活動記録).pdf

関連情報 なし
メッセージ
メッセージ
なし
実践事例の属性
対象ハザード
対象リスク
なし
固有災害名称
なし
入力者グループ
名前など 地域防災Web
三浦伸也
入力者 運営事務局
メモ

※「1.内容/(7)実践人数・(13)参加人数」の値は、プランごとの人数の平均値を使用
※「4.必要条件/(3)準備の所要時間・(4)実践の所要時間」の値は、プランごとの該当時間の平均値を使用