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国立研究開発法人 防災科学技術研究所(防災科研)の「自然災害情報の利活用に基づく災害対策に関する研究プロジェクト」が主体となって作成している「地域防災Web」のページです。

【防災教育チャレンジプラン2019年度特別賞】高知県立大方高等学校「高校生が作る地区防災計画」

概要

ID 手法・事例00143023
タイトル 【防災教育チャレンジプラン2019年度特別賞】高知県立大方高等学校「高校生が作る地区防災計画」
防災対策テーマ
  • 学校等での防災教育の実施
対策の種別
目的・背景(なぜ行ったのか)

・黒潮町では2015年から町内61地区において地区防災計画の策定を推進している。
・生徒在校時に被災した場合の本校を中心とした仮のコミュニティを想定し、高校生が中心となって防災計画を充実させることに取り組んだ。
・今年度は地域に積極的に出向き、昨年度の活動をより実践的に発展させ、その活動の中で生徒の防災意識や地域貢献への意識を育てたいと考えている。

活動の概要

①保小中高合同避難訓練&交流会
・保育園、小学校、中学校と合同で避難訓練を実施し、全員でレクリエーションを行い交流した。

 

②避難所運営マニュアル改善提案
・昨年度作成した「オリジナルHUG」の実戦経験に基づき、既存の避難所運営マニュアルの改善案をまとめて黒潮町役場へ提言した。

 

③逃げトレを用いた避難路検証と報告会
・グループに分かれて「逃げトレ」アプリを用いて避難訓練を実施し、避難路・避難方法についての安全性検証結果を地区住民に提案した。

 

④炊き出し訓練
・5月、12月の2回に亘り、グループに分かれて自宅から持ち寄った食材と限られた道具を使って炊きだし訓練を行った。

 

⑤出張HUG
・福祉避難所と蕨岡中学校へ出向いて「オリジナルHUG」を使った訓練を行った。

 

⑥防災カルタづくり&小学校への出前授業
・小学生向けの「防災カルタ」を作成し、それを使って近隣小学校で出前授業を行う。

詳細

目次
  1. 内容
  2. 達成目標
  3. 達成度
  4. 必要条件
  5. 関連情報
  6. メッセージ
  7. 手法・事例の属性
内容
内容・方法

①保小中高合同避難訓練&交流会
・本校生徒防災委員会が小学生から高校生までが一緒に行えるレクリエーションを計画。
・保育園、小中学校と合同で避難訓練を実施。
・小中学生合わせて役350人で、企画したレクリエーションとして防災クイズ、被災時に役立つ紙箱作りを行った。

 

        

 

②避難所運営マニュアル改善提案
・昨年度、「大方高校オリジナルHUG」を作成し、全校で地域や行政の方などと多くの実践を重ねた。
・その経験に基づいて、既存の避難所運営マニュアルに関する改善案をまとめた。
・その改善案を黒潮町役場の情報防災課の職員の方々に提言し、議論した。

 

 

③逃げトレを用いた避難路検証と報告会
・検証する避難路や避難方法のパターン(車いすで、自動車で・歩いてなど)によってグループに分かれ、「逃げトレ」アプリを用いて各地点から同時に避難訓練を実施。
・後日、検証結果について地区住民の方に集まっていただき、安全に避難するために何が必要かについて提案を行った。

 

        

 

④炊き出し訓練
・5月には、貸し出す用具を限定し、生徒が自宅から食材を持ち寄って炊き出し訓練を行い、うまくいかなかった点や学校の備蓄用具で不足しているものなどについて検討した。
・12月には、6人ずつのグループに分かれ、学校食堂が停電の想定の下、ガスコンロを使った炊き出し訓練を行った。

 

 

⑤出張HUG
福祉避難所でのオリジナルHUG実践

・要配慮者の避難支援について考えるため、福祉避難所で職員の方と本校のオリジナルHUGを実践した。
・事前に要配慮者の必要な支援について学習し、オリジナルHUGに要配慮者を想定した架空の人物カードを作成し、福祉避難所の見取り図を用意して臨んだ。

 

蕨岡中学校でのオリジナルHUG実践
・中学校の参観日の一環として、中学生の保護者の方や地域の方にも参加していただき、オリジナルHUGを実践した。

 

⑥防災カルタづくり&小学校への出前授業
・小学生が防災について考えるきっかけを高校生の手で作る目的で「防災カルタ」を作成し、近隣にある小学校へ出前授業を行う。

課題・苦労・工夫

工夫
・②避難所運営マニュアル改善提案では、何度も実践したオリジナルHUGの活動を、実際の避難所運営に活かすというところまで行動に移したことで、生徒たちは一定の達成感を感じることができた。
・④炊き出し訓練では、5月と12月に異なる条件で炊き出し訓練を行い、2回目には1回目でうまくできなかったことができるようになったり新たな課題が見つかったりして有意義な課題となった。

 

課題・苦労
・①保小中高合同避難訓練&交流会では、日程の調整や幅広い年齢で協力できるレクレーションを考えることが困難だった。
・③逃げトレを用いた避難路検証と報告会では、住民の方との連携や当日の段取りなど、京都大学の方や役場の方のご協力があったので実施できた。
・⑤出張HUGでは、小学生や中学生も要領がつかみやすくゲームに参加しやすい工夫をこれから考えていきたい。
 

得られた成果

・昨年度からの取組を地域の方に広く知っていただくことができ、防災活動を地域と連携して行いやすい環境が整ったことが成果として挙げられる。
・地域住民の方、近隣の小学校や中学校、町役場、周辺の指定避難所と協働した活動を数多く行うことができた。
・また、学校外の方々との関わりのなかで、生徒たちが防災に対しての関心と責任感を持ち始める様子が見られ、大きな教育効果が挙げられたと感じている。
黒潮町の課題でもある要配慮者の方に対する支援についても、わずかではあるが関わることができた。
・一つ一つは小さなことであるが、一人ひとりの不安を少しでも解消するような活動を、これからも行っていきたい。

実践者
種別 氏名 連絡先 グループ名 地域防災Web 連絡
学校防災担当 校長 大西雅人 高知県立大方高等学校 防災対策情報推奨用(試験ページ)
学校防災担当 教頭 上原健 高知県立大方高等学校
学校防災担当 浦田友香 高知県立大方高等学校
学校防災担当 近森美保 高知県立大方高等学校
関係者
種別 氏名 連絡先 グループ名 地域防災Web 連絡
地域関係者 なし 黒潮町役場情報防災課
研究者 杉山高志 京都大学情報学研究科
研究者 小西慶哉 京都大学情報学研究科
その他 なし 蕨岡中学校
専門機関 なし あったかふれあいセンター にしきの広場
関係者説明

高知県立大方高等学校
本校は高知県の黒潮町にある唯一の高等学校である。南海トラフ地震における甚大な被害が予想されるなかで、防災教育に力を入れている。地域から協力を得やすい環境を活かし、近隣にある役場、保育園、小学校、中学校、地域住民との連携した防災活動に取り組んでいる。

 

あったかふれあいセンター にしきの広場
デイサービス施設

実践人数
12
実践開始日時 2019年05月15日
実践終了日時 2020年02月28日
実践地域
高知県
黒潮町
実践場所
錦野公園、黒潮町役場、黒潮町芝・早咲・入野本村・新町地区、大方高等学校、にしきの広場(福祉避難所)、蕨岡中学校、入野小学校
参加対象
参加人数
130
報告資料・成果物

報告書全体(一括閲覧)大方高等学校(全体).pdf
実践団体情報(概要)大方高等学校0.pdf
プラン1大方高等学校1.pdf
プラン2大方高等学校2.pdf
プラン3大方高等学校3.pdf
プラン4大方高等学校4.pdf
プラン5大方高等学校5.pdf
プラン6大方高等学校6.pdf

使用経費

5万円未満

補助金情報 なし
達成目標
知能・技能を身に着ける かなり
思考力・判断力・表現力を身に着ける 大いに
学びに向かう力・人間性を身に着ける 大いに
施設・設備を整備する なし
達成度
知能・技能を身に着ける かなり
思考力・判断力・表現力を身に着ける 大いに
学びに向かう力・人間性を身に着ける 大いに
施設・設備を整備する なし
必要条件
導入予算
なし
継続予算
なし
準備の所要時間
4 日
実践の所要時間
6 時間
必要な場所
必要な能力、人材、機材、ツール、知識等

「逃げトレ」アプリ

導入手順・工程表

実践活動の記録表 大方高年間活動記録.pdf

関連情報 なし
メッセージ
メッセージ
伝えたい相手 メッセージ
閲覧者へ

・「逃げトレ」のアプリを用いることで、ただ避難して終わりではなく、避難を検証し、反省し、より良い避難を考えることにつなげていくことができると知りました。これからも避難訓練に何かアイデアをプラスすることで、実践的な訓練ができるということを学びました。

 

・炊き出し訓練も、食材や道具を制限したり、場所を変えたりして、色々なパターンで行うことができると知りました。訓練を、生徒にとって新鮮で面白い活動にする工夫が、意欲の向上につながることも学びました。

 

・オリジナルHUGが、人物カードや見取り図を変えて色々な施設で実践ができるということに気付きました。そして色々な立場の方が、高校生と一緒に実践をしたいと思ってくださっているということを知り、ありがたく思っています。

実践事例の属性
対象ハザード
対象リスク
なし
固有災害名称
なし
入力者グループ
名前など 地域防災Web
三浦伸也
入力者 運営事務局
メモ
なし