『子どものチカラ』
子どもは、いつも
寝たきりの私の枕元で
おしゃべりがとまりません。
「この箱の中をみて!ダンゴムシをね、50匹つかまえたら、手が疲れちゃった。この子たち飼っていい?」
「小さい子がね、転んで泣いてたから、ティッシュで涙と鼻水を拭いてあげたらね、急に笑いだした」
「友だちが、ミッキーマウスの中には、ホントは人間が入ってるんだってウソを言うんだよ!ああいう生き物なんだって知らないんだから、まいっちゃうよ」
いつだって、
子どもとゆっくり話せる時間は、私から病を忘れさせてくれます。
そんなとき ふと、思いました。
重い疾患や余命を受け入れねばならない人たちの傍らには、
いつも子どもがいて
笑ったり
泣いたり
ふれあったり
同じ時間を共に過ごせたら、
どんなに慰めになるだろう、と心から思いました。
高齢者施設やホスピスなどが、幼稚園や保育園や学校に隣接していたら、
どんなに素敵なことだろう。
挿絵協力:亜梨沙