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国立研究開発法人 防災科学技術研究所(防災科研)の「自然災害情報の利活用に基づく災害対策に関する研究プロジェクト」が主体となって作成している「地域防災Web」のページです。

わくわく防災減災―逆転の発想で生徒を変え、生徒が地域を変える防災教育の提案ー

概要

ID 手法・事例00078383
タイトル わくわく防災減災―逆転の発想で生徒を変え、生徒が地域を変える防災教育の提案ー
防災対策テーマ
  • 防災研究・講演会、防災教育等の実施
  • 学校等での防災教育の実施
  • 防災リーダー育成
  • 防災のチラシやパンフレットの作成・配布
対策の種別
目的・背景(なぜ行ったのか)

●実践団体の概要

 本校は、中高一貫の私立女子校であり、生徒数約500名。所在地は世田谷区(併設の小学校は目黒区)。2012年から始めた宮城県での被災地ボランティア研修での学びがきっかけとなり、学校内及び地域での防災教育・防災活動に取り組み始めた。防災教育を学校の特色の一つと位置づけて、様々な活動を展開している。特に「東京にある私立の女子校」という特性を活かした防災教育の実践と災害時のトイレ問題の取り組みが特徴的である。防災を軸とした地域との連携も広げており、世田谷区と乳幼児と妊産婦を受け入れる「福祉避難所(母子)」の協定を結んでいる。

 

●活動の目的

 「災害はいつ起こるか分からないので、目の前にいる生徒の防災意識を短期間で変えたい」という願いから本校の防災教育はスタートした。本校の防災教育の方針であり、本プランの合言葉が「わくわく防災減災」である。生徒も教員も前向きな気持ちで防災に取り組むことで、災害と向き合い、想像力を広げ、持続性ある防災意識が身に付く。防災を「教えられる側」になりがちな生徒が、「教える側」に立ったとき、生き生き防災について考え始める。以上が、本プランの目的であり、ポイントである。

 

 

活動の概要

●活動内容

1.「学びの『社会還元』」(※)で、「生徒」の防災意識を変える。

 ※授業等での学びを活かして、生徒たちが女子中高生ならではのアイディアを出し合い、

  それが実際の社会の中で役立つ経験をする。・・・というチャンスが防災にはたくさん!

  例)災害時のトイレ問題の啓発、母子避難所の提案、女子中高生も取り組みたくなる防災の提案

2.私立学校が、防災を軸に、「地域」との連携を広げる・深める活動を校内外で展開する。

3.「先生」をターゲットにした防災研修(=防災に取り組む意識を心から高める)の企画を行う。

 

●年間の活動概要

年間を通じて、校内外で様々な活動を展開した。

A:授業(報告書数:3件/具体的活動数:3活動)

B:訓練(3件/3活動)

C:被災地での防災学習・支援活動(3件/4活動)

D:災害時のトイレ問題(2件/11活動)

E:生徒による発信活動(1件/7活動)

F:教職員研修(1件/2活動)

G:地域活動(1件/1活動)

 

本校の防災教育の方針は、「わくわく防災減災」であり、これはプラン全体に共通する合言葉にもなっている。すなわち、防災の取り組みにおいて、生徒に「わくわく感」を感じさせることで、目を背けがちな災害や防災に関心を向けさせ、一人一人の防災意識を高める工夫を行っている。

「災害は、いつ来るか分からない。どうにかして短期間で、目の前にいる生徒の防災意識を大きく変えたい」という願いから、本校の防災教育は始まった。

現在は、防災を「生徒たちが解決すべき社会課題」と位置づけることで、学力の3要素をバランスよく育てつつ、生徒自身の防災意識を高める試みを重ねている。最初は、「どうすれば良いのだろう」と呆然とすることも多々あったが、試行錯誤の中で、進むべき方向性が見えてきた。本プランでは、現場が抱える防災教育の課題(教員の本音)に対する解決策・ヒントを、教育に軸を置きながら、実践の中で提示することも目指している。

また、私立学校は公立学校に比べて地域との繋がりが薄いという課題を抱えている。防災を軸に地域との繋がりを作っていくことも、本プランの柱の一つである。

詳細

目次
  1. 内容
  2. 達成目標
  3. 達成度
  4. 必要条件
  5. 関連情報
  6. メッセージ
  7. 手法・事例の属性
内容
内容・方法

 

プランの立案と調整

活動準備

実践活動

4月

防災訓練・授業実践

行政と打ち合わせ

 

5月

防災訓練・被災地研修

被災地研修下見

防災学習(修学旅行・熊本)

6月

防災訓練・授業実践

被災地研修

講師と打ち合わせ

授業作り

授業実践(社会)・防災訓練・防災アンケート・日赤中高生研修での発表

7月

被災地研修

教職員対象研修

行政と打ち合わせ

14回被災地ボランティア研修(宮城)・携帯トイレ作り

8月

教職員対象研修・防災社会科見学・住民研修会

各活動の打ち合わせ

下見

防災イベント(携帯トイレ)・教職員対象の防災研修

9月

住民研修会・防災イベント・復興支援イベント

チラシ作成・広報活動

授業作成

防災訓練・研修会講師・防災イベント開催

10月

社会科見学・授業実践

打ち合わせ・授業作り

授業実践(社会)

11月

社会科見学・地域防災訓練・教職員対象研修

打ち合わせ・資料作成

プレゼン準備

防災社会科見学

私学教職員対象の防災研修

12月

防災訓練・防災研修会・被災地研修・授業実践

打ち合わせ・活動場所の検討及び予約手配・授業作り

地域防災訓練参加・母子避難所訓練の開催協力及び参加

1月

授業実践

防災研修会

授業づくり

研修会内容検討

授業実践(教科横断的授業・留学生)・3.11追悼イベントのための書道作品作成

2月

被災地研修

住民研修会

打ち合わせ

被災地研修下見

「防災減災通信」作成

携帯トイレ作り

3月

被災地研修

住民研修会

研修会準備

研修会講師・第15回被災地研修・「防災減災通信」発行

課題・苦労・工夫

●反省点・課題・感想

多くのプランを実践したため、時間が足りないこともあったが、新たな授業開発、地域連携の深まり、本校発の活動の社会的広がりなど多くの実りがあった。

 

●今後の活動予定

これまでと同程度のスピードで防災教育を進める。同時並行で、実効性のある体制作りも目標にする。

得られた成果

・生徒たちが学びを活かして話し合った行政や専門家の前で、防災のアイディアを発表することで、自助意識が育つと共に、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を伸ばした。発表するという目標の下、どの生徒も生き生きと活動に取り組んだ。

・イベントを通じての交流や地域防災上の協議を通じて、特に地域行政・地域住民と大いに話し合ったり、協力し合ったりすることで、連携を深めることができた。

・生徒対象の授業に加え、生徒以外を対象とした防災に関する研修会や講演会に関わる際、相手(受ける側)のニーズに合わせた企画が実施できた。

実践者
種別 氏名 連絡先 グループ名 地域防災Web 連絡
学校防災担当 校長:若松 悠紀子 なし 目黒星美学園中学高等学校
なし 担当教諭:亰 百合子 なし 目黒星美学園中学高等学校
関係者 なし
関係者説明
なし
実践人数
なし
実践開始日時 2012年04月01日
実践終了日時 なし
実践地域
宮城県
仙台市青葉区
仙台市宮城野区
仙台市若林区
仙台市太白区
仙台市泉区
石巻市
東松島市
亘理町
山元町
東京都
千代田区
中央区
港区
新宿区
文京区
台東区
墨田区
江東区
品川区
目黒区
大田区
世田谷区
渋谷区
中野区
杉並区
豊島区
北区
荒川区
板橋区
練馬区
足立区
葛飾区
江戸川区
熊本県
熊本市中央区
熊本市東区
熊本市西区
熊本市南区
熊本市北区
益城町
実践場所
なし
参加対象
参加人数
なし
報告資料・成果物
使用経費 なし
補助金情報 なし
達成目標
知能・技能を身に着ける なし
思考力・判断力・表現力を身に着ける なし
学びに向かう力・人間性を身に着ける なし
施設・設備を整備する なし
達成度
知能・技能を身に着ける なし
思考力・判断力・表現力を身に着ける なし
学びに向かう力・人間性を身に着ける なし
施設・設備を整備する なし
必要条件
導入予算
なし
継続予算
なし
準備の所要時間
なし なし
実践の所要時間
なし なし
必要な場所
必要な能力、人材、機材、ツール、知識等
なし
導入手順・工程表
なし
関連情報
メッセージ
メッセージ
なし
実践事例の属性
対象ハザード
対象リスク
なし
固有災害名称
なし
入力者グループ
名前など 地域防災Web
防災教育チャレンジプラン実行委員会
入力者 池田@NIED
メモ

過去の活動履歴・受賞歴

2015年度/2016年度学校防災力向上事業
(日本トイレ研究所・世田谷区のプロジェクトに協力)
2017年度防災甲子園 フロンティア賞受賞
国土交通省「マンホールトイレ整備・運用のためのガイドライン」に事例として掲載(p.49,2018年度版p.50)
2017年度ボランティア・スピリット・アワード コミュニティ賞受賞