トップページ

国立研究開発法人 防災科学技術研究所(防災科研)の「自然災害情報の利活用に基づく災害対策に関する研究プロジェクト」が主体となって作成している「地域防災Web」のページです。

「自分の命は自分で守る。自助、共助で地域を守り生きぬく。」

概要

ID 手法・事例00001131
タイトル 「自分の命は自分で守る。自助、共助で地域を守り生きぬく。」
防災対策テーマ なし
対策の種別
目的・背景(なぜ行ったのか)

私たちの住む金栄校区でも平成16年災害では、多大な物的被害が発生しました。しかし、この災害後に生まれた子供たちは、この災害のことも知らず、地域の人も関心が薄れてきているのが現状でした。また、南海トラフ巨大地震の発生が今後30年の間に70%と言われており、その子供たちが、自分の子供を持つ40歳代にきわめて、南海トラフ巨大地震に遭遇する可能性が非常に高くなります。また、大きな自然災害を知らない子供たちに継続して防災教育を実践することにより、自分の命の大切さを学ばせ、併せて将来自分のこともを持った時に親として子供を守り、地域の防災リーダーとして活躍してもらうために防災学習を実践しています。

 

活動の概要

金栄校区では、平成16年度に5回の台風の接近等により、校区の広範囲で床上浸水などの被害が発生しました。この平成16年災害が発生した時には生まれていなかった5年生は校区で発生した大規模災害によって自分たちの学校や自分が住んでいる町で被害を受けたことを知りません。また、今後発生する確率が高い南海トラフ巨大地震によって自分たちも被災する可能性が高いのが現状です。今後30年以内に70%の発生確率が、30年後には発生確率が100%となり、子供たちの年齢も40歳代となり、家族を持っていることも想像されます。このようなことから「自助の自分の命は自分で守る」「共助の地域ぐるみで災害からまちを守る」「平成16年災害に学ぶ地域の災害を忘れない」ということを目標に、防災学習に取り組んでいくこととなりました。また、熊本地震など自然災害が多発しており、「自分の命は自分で守る。自助、共助で地域を守り、生き抜く。」ことをスローガンに防災学習取り組んでいます。今年度、消防本部から講師を招き、まずは、平成16年災害豪雨災害、地域の危険個所、地域で起こりうる災害、避難所などについて学習しました。日頃から行き来している通学路などの危険個所についてもやはり災害を経験していない児童たちも今一つ理解ができないこともありました。平成16年災害によって被害を受けた際の画像などを活用して、「目で見て学習する。」ことによって理解することができました。児童たちも、自分が住んでいる地域大災害が発生したことや危険個所があることを知り改めて自然災害の怖さを学ぶことができました。

ワークシート2の取り組みについては、今年のテーマとして、自分の命は自分で守るです。災害の条件としては、今後起こりうる可能性が非常に高い、南海トラフ巨大地震、また、平成16年豪雨災害において甚大な被害が発生した水害、土砂災害など新居浜市において、発生する可能性がある災害を条件としました。また、地震は何時発生するかわからないことから通年、平日、休日、24時間を条件として選択しました。まずは、個人で災害時の問題と現状を調査することについて、各自で検討いたしました。各自で検討したのちに、グループで話し合いを行い、ワークシート2を作成しました。問題、困ることでは、災害時要配慮者のことについても検討されておりました。また、地域内でも問題となっている空家についても検討されており、倒壊する可能性も高く、その際には避難に支障があるなども検討されていました。ほとんどの班でも検討されていたのが、家の中の地震対策についても検討されており、なかなか進まない、耐震補強、家具の固定などについても話し合いができていました。自宅のどの場所で、どのように身を守るかもあらかじめ検討が必要であることも伝え、帰宅後家の中の安全点検を家族で実施することも併せて説明しました。

ワークシート3の取り組みについては、個人で考えて、その後グループ作業を行いました。課題は、「自分の命は自分で守る。自助、共助、生き延びるために」はなにをすればよいのか。発災時間を午前7時時と決めたルールに基づいて検討しました。まずは、経過時間ごとに、具体的な対応方法、決めた体制・ルール、協力する人・組織、準備・確認するものについて検討しました。最初は、大きな地震などの自然災害に遭遇したことのない児童たちもいまいちイメージがつかないようでしたが、少しのポイントを伝えると、めいめいで対策など検討できておりました。その後は、個人で検討した内容をグループで協議を行い、グループごとにワークシートを作成しました。ワークシート作成後には、各グループごとに発表を行いました。発表のポイントとしては、自分たちが、一番検討した、経過時間について具体的な対応策などを発表しました。やはり、発災直後などは、救出救助などが中心となるが、12時間後以降は、夜間になるため、夜間における避難所での活動に対する事前の準備物では、発電機、照明などを準備する、資機材は公民館の防災資機材などを活用するといった内容の発表がされていました。まちあるきで公民館で資機材の見学によって、決めた体制・ルールなどが話し合われていました。児童たちには、災害発生後は、君たちにもできる活動があるのだから、その際には、できることをしてほしいと伝えました。

地域住民の方々と行ったまちあるきで調査した、平成16年災害で被災した箇所、地震が起こった時に危険な箇所、災害時に役に立つ施設などについて、e防災マップに入力を開始しました。今年のメインテーマは、どの場所で地震にあっても、「自分の命は自分で守る。自助、共助で地域を守り、生き抜く。」このことから、まずは、自宅から避難所へ向かう道中の危険な避難経路、安心して避難できる経路などの様々な情報を入力しました。また、平成16年災害などによって被災した箇所などを話を被災した方々からまちあるきで聞いたことをなども入力し反映しました。その他、今回のまちあるきで新たに発見した危険個所なども入力をしました。

3回の入力作業を終え、概ね完成しました。入力した内容も、児童によってまちあるきによって見たこと、考えたことが違うためにコメントが様々です。その様々な意見などががマップに反映されるほど、昨年、一昨年と違ったマップになり、また、地域にとっては多くの情報となり、結果としては、地域の人にとって有効な情報となります。e防災マップ入力後は、1月の研究発表及び岡山市の小学校との交流会のための災害発生時の児童各自が「命を守るためには」について時系列ごとに、また、一生懸命頑張って入力したe防災マップ評価検討会を予定しています。

詳細

目次
  1. 内容
  2. 達成目標
  3. 達成度
  4. 必要条件
  5. 関連情報
  6. メッセージ
  7. 手法・事例の属性
内容
内容・方法

今後発生する確率が高い南海トラフ巨大地震によって現在の小学生たちが被災する可能性が高いのが現状であり、30年後には発生確率が100%と想定される時には、子供たちの年齢も40歳代となります。そのころには、家族を持っていることも想像されます。今年発生した熊本地震のように想定もされていなかった地域で突如と発生した大規模な地震を踏まえ「自助の自分の命は自分で守る。」「共助の地域ぐるみで災害からまちを守る。」「平成16年災害に学ぶ地域の災害を忘れない。」ということを目標に、防災学習に取り組んでいくこととなりました。また、熊本地震、北海道、東北地方にて被蓋をもたらした大規模な自然災害が多発してることから、「自分の命は自分で守る。自助、共助で地域を守り、生き抜く。」ことをを目標に地域を上げて防災活動及び防災学習に取り組みました。

課題・苦労・工夫

金栄校区では、平成25年度より小学5年生の総合の時間を活用して、防災学習を開始いたしました。開始当初は、例年行っていましたまちあるき後の危険マップを作成が目的でした。しかしながら、「防災のことも知らない。」「平成16年災害のことも知らない。」「危険個所といってもピンとこない。」このような状況のまま、まちあるきを行いましたが、結果は取りまとめて危険マップを作製できるものには程遠いものとなりました。この反省を踏まえ、翌年度からは、「金栄校区で発生した災害を知ろう。」「東日本大震災などの過去の災害を知ろう。」「危険箇所とは?」などまちあるきを行うまでにこのような防災学習を経て、「地域の災害特性」「災害時の問題と現状を調査する。」「対策を検討する。」など年間のテーマに基づきワークショップ形式の防災学習を実施しました。まずは、「個人で考えて、グループで検討し、発表を行う。」各グループで災害時の問題点も持ち、まちあるきに臨みました。まちあるきでは、平成16年災害で被災した方々に同行していただき、被災した箇所では、「実施にここまで水が来た。」などの生の声を聴くなど貴重な体験をするようにしています。これは、新居浜市で発生した災害を風化せずに、後世につなげていくことの大切さをモットーとしています。

平成16年災害以降、校区内では、駅前開発工事が進み当時の街並みとは一変しました。また、田畑出会った場所には、宅地、マンション等の建設もあり、地域特性が変化しました。校区の人口市内で唯一増加しましたが、校区外から移り住んできた方々は平成16年災害に金栄校区における被災状況も知るすべもなく生活をしています。このようなことから、防災に関して関心も薄く、防災力の向上につながりませんでした。このような状況を当時の金栄校区連合自治会長(金栄校区自主防災会会長)、金栄公民館長、金栄小学校校長、関係機関の方々の努力で一足飛びには、防災力の向上とはならないが、微速ながらこつこつと防災活動を進めようとしたことから、現在の金栄校区の防災の原点であります。

平成26年度に作成したe防災マップでは、地震、浸水避難経路をテーマとし、平成27年度は災学弱者の命をつなぐことをテーマとしてマップを作成しました。このマップを作成するにあたり、まちあるきでは、地域内の道路などの傾斜、日頃の水路及び中規模河川の状況、地震と豪雨の際の避難所の使用の有無なども考慮しました。これは、平成16年災害で校区の避難所となる小学校、公民館が浸水し使用できなかったことをマップに反映しました。新居浜市が発行している様々防災マップにもこのような地域の状況は、マップに反映されていません。これは、新居浜市だけではなく他市の防災マップでも同様であると思います。まちあるきで知り得た内容を校区防災訓練の際に災害時要配慮者搬送訓練を実施して、災害種別ごとに避難経路、避難所などの使い分けを地域住民に周知を図っています。

得られた成果

平成26年度、27年度に連続して、e防災マップ部門で最優秀賞を2年連続受賞することができました。この背景には、金栄校区自主防災組織を平成17年に結成し、毎年防災訓練など、防災活動を実施してきていましたが、数年後には、マンネリ化した防災活動となってしまいました。このようなことから、当時の連合自治会長(金栄校区自主防災会会長)などと協議し、金栄校区自主防災会の活性化について協議行いました。その中で、校区防災訓練など。いつもする参加するメンバーが固定化されていることなどいくつかの現状と課題を抽出し、その現状と課題に対する改善策を検討しました。このようなことを受けて、防災訓練などに保護者世代をいかに参加してもらうかなど、また、地域を挙げてのe防災マップの取り組みについて検討を進めてまいりました。その結果を受けて、e防災マップ部門で最優秀賞を2年連続受賞することができ、子供たちが作成したマップを地域の方々にも周知を図りました。併せて、平成27年度、内閣府の地区防災計画のモデル地区の指定を受けて、金栄校区地区防災計画策定委員会を結成し、平成27年7月から2月までの間、検討員会及び小委員会を約10回開催して金栄校区地区防災計画を策定しました。この計画には、e防災マップの取り組み同様、地域で起こりうる災害に対して、地域の現状、課題に対して改善点を検討しました。この改善点に対して、5年間における中長期的な防災活動計画を策定し、平成28年度から取り組みを行っています。具体的には、平成28年度から実施できる活動として校区防災訓練の実施、検討を行い平成28年度以降から実施する予定の活動内容などとして、避難所運営、避難行動要支援者対策などとなります。いずれにしても地域住民の皆さんに防災に関心を持ってもらい、有事の際には金栄校区からは、一人の犠牲者を出さないことを目的てして活動を行い、少しずつですが地域防災力の向上が図られてきています。

 

実践者
種別 氏名 連絡先 グループ名 地域防災Web 連絡
自治体防災担当者 なし なし 金栄校区自主防災会 代表 坂本 安孝
地域防災リーダー なし なし 金栄校区自主防災会 代表 坂本 安孝
自治体防災担当者 なし なし 新居浜市消防本部総務警防課 高橋直樹
地域防災リーダー なし なし 新居浜市消防本部総務警防課 高橋直樹
関係者 なし
関係者説明
なし
実践人数
なし
実践開始日時 なし
実践終了日時 なし
実践地域
愛媛県
新居浜市
実践場所
なし
参加対象
参加人数
なし
報告資料・成果物
なし
使用経費 なし
補助金情報 なし
達成目標
知能・技能を身に着ける なし
思考力・判断力・表現力を身に着ける なし
学びに向かう力・人間性を身に着ける なし
施設・設備を整備する なし
達成度
知能・技能を身に着ける なし
思考力・判断力・表現力を身に着ける なし
学びに向かう力・人間性を身に着ける なし
施設・設備を整備する なし
必要条件
導入予算
なし
継続予算
なし
準備の所要時間
なし なし
実践の所要時間
なし なし
必要な場所
必要な能力、人材、機材、ツール、知識等
なし
導入手順・工程表
なし
関連情報
メッセージ
メッセージ
なし
実践事例の属性
対象ハザード
対象リスク
なし
固有災害名称
なし
入力者グループ
名前など 地域防災Web
堀込区防災会
入力者 運営事務局
メモ
なし