・阪神・淡路大震災の経験と教訓から、町内会や自治会といった地域コミュニティを基盤とした自主防災組織の重要性の認識が高まり、組織率の向上が図られてきたが、結成された自主防災組織が形式的な状況に留まる場合、組織の活性化が課題となるため
・自主防災組織の活動を推進する「防災リーダー」等の養成も強化されており、主催者、講習内容ともに多様な取り組みがおこなわれているが、受講者が得た知識を地域で生かす機会がない場合や個人的な関心で受講している場合、地域防災力の高度化への貢献度は低く、個人の知的財産に留まってしまうため
・仙台市においては東日本大震災発生直後から防災リーダーとして期待されていた役割を果たすことができる実践力のある人材が不足したことや、より高度な対応が震災時に求められたため
・日本防災士機構の講習テキストに基づいた防災リーダー養成プログラムは、自主防災活動の普遍的な内容の習得を中心とし、修得したことの還元性を特に限定しないものであるため
・仙台市教育委員会は2012年から「新たな学校防災教育推進協議会」を設置しており、学校防災と地域防災の連携強化が進んできている状況から、その繋ぎ手役としての仙台市地域防災リーダーに対する期待が高まっていると言えるため
・地域ごとに大きく異なる自然のハザードや脆弱性の違いによるリスクの格差に応じて、その地域にとって計画的に推進すべき発災時のみならず平常時からの自主防災活動は異なるため

自主防災活動の活性化と従来の防災リーダー養成のあり方の双方の問題解決に向けた養成プログラムを開発したうえで、仙台市内における自主防災組織の地域防災力の変遷を評価した