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国立研究開発法人 防災科学技術研究所(防災科研)の「自然災害情報の利活用に基づく災害対策に関する研究プロジェクト」が主体となって作成している「地域防災Web」のページです。

【防災教育チャレンジプラン2021年度優秀賞】名古屋市立工芸高等学校:防災について考え、行動できる人の輪づくり~住民の、住民による、住民のための防災訓練~の支援

概要

ID 手法・事例00145002
タイトル 【防災教育チャレンジプラン2021年度優秀賞】名古屋市立工芸高等学校:防災について考え、行動できる人の輪づくり~住民の、住民による、住民のための防災訓練~の支援
防災対策テーマ
  • 学校等での防災教育の実施
  • 外部向けの広報活動
対策の種別
目的・背景(なぜ行ったのか)

・新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会のあり方が大きく変革してきました。防災も例外ではなく、このチャレンジプランの活動もリアルからオンラインへという流れに順応してきています。


・そのような中で、これまで以上に小規模(学校・地域・行政)な単位での防災教育や、防災活動の実施も余儀なくされており、私たち工芸高校では、過去2年間の取り組みを有効に活用し、知的財産の「パッケージ化」に取り組みました。


・また、デルタ株収束期に行われたリアルイベントでは、成果物を持ち込み、普及活動にも取り組みました。

活動の概要

【蓄光ブロックによる避難誘導】
ブラックアウト時の避難誘導ブロックの改良を更に行い、実用化レベルまで引き上げ、本校や他施設での施工事例をつくる。

 

【浸水害擬似体験装置の開発】
浸水害擬似体験装置の改良を行い、安定感や可搬性に優れたものとし、貸し出しに向けたPR活動を実施する。

 

【FMBの作製】
被災時の生徒の生活環境の改善を目指し、必要な食料、空間、就寝環境、排泄環境の検討を行い、改善策を講じる。

 

【防災公園の設計】
防災に関する知識・技能と土木技術に関する知識・技能を融合して、安全で快適な空間設計を行い、人の想いを具現化する技能を養う。

 

【防災活動の成果の公表】
本校の活動成果をより多くの人に知って頂き、新たな活動の「種」を探す。

詳細

目次
  1. 内容
  2. 達成目標
  3. 達成度
  4. 必要条件
  5. 関連情報
  6. メッセージ
  7. 手法・事例の属性
内容
内容・方法

【蓄光ブロックによる避難誘導】
・従来のブロックの作製に専門的な知識が多く必要であったこと、住民参加の工夫が少なかったことを改良し、その結果を小学生の体験活動から検証した。

 

図 誘導ブロックの改良の変遷(2019年度~2021年度)

    

                    小学生による試作検証        校内設置の状況

 

【浸水害擬似体験装置の開発】
・浸水害下での水平避難の危険性を容易に体感してもらうことを目的とした「浸水害擬似体験装置の開発」に継続的に取り組んできたが、今年度は「水流抵抗の負荷方法の改良と水路底面の改良」、「歩行時の安全性と装置安定性の向上のための水路幅の縮減」により、普通ワゴン車での余裕を持った搬入出を可能にした。
 

        

 

【FMBの作製】
・本校は指定避難所であるので、「発災時に学校が動いていたとしたらどうなるのか。」という視点から工芸版・ファースト・ミッション・ボックス(FMB)を作製しようと考えました。
・具体的には、①工芸高校の校内施設をスケールアップし、避難所運営ゲームの実施、②避難所開設キットの確認や先進都市への調査、③備蓄食料の調査(生徒・教員用)、④就寝環境の確認と改善に向けたツールの試作、を行った。
 

就寝環境の検証

 

【防災公園の設計】
・クラス単位で「科目:実習」で学んだ防災に関する知識・技能と、日頃の学習で得た土木技術に関する知識・技能とを融合させ、具現化させるための取り組みとして、
・地震、津波、浸水害、液状化などを対象にして、発災のメカニズムとそれら災害の過去の被災事例をまとめた。
・個別に、理想と考える防災公園に必要な要素を考えた。ただし、平時の快適性の担保も必須要件とした。
・グループ別に、想定被災事例を指定し、公園設計に関する基本方針と、具体的な整備内容を検討した。
・建設分野(施工、コンサル、発注者出身者)及び子育て世代の経験者を前に、中間発表を行った。
・班別ワークを個人ワークに切り換えて、それらの評価シートを基に改良を行い、公園平面図を作製した。

 

 

【防災活動の成果の公表】
・本校の活動成果をより多くの人に知って頂くために、様々なリアル・オンラインイベントに参加したり、外部機関からの依頼を受けて防災活動に関する投稿も行った
■「SDGs AICHI EXPO 2021」での出展(2021年10月)
■「名古屋市立大学サステナビリティシンポジウム」での発表(2021年11月)
■「第16回持続可能な明日を目指すシンポジウム ~いのちつながる 街づくり担い手づくり~ SDGs実践報告会」での発表(2021年12月)
■「令和3年度全国中学生・高校生防災会議」への参加(2021年11月から12月)
■「建設技術フェア2021in中部」への出展(2021年12月)
<教員発表分>
■「工業教育(2021年11月号)~特集 自然災害と防災教育」の掲載(2021年11月)
■「ESD for 2030 AICHIプロジェクト(文部科学省補助事業)」の成果報告会での発表(2022年2月予定)

 

課題・苦労・工夫

・令和3年7月から8月にかけて「防災の日」に合わせたイベントを小学校で実施できないかを打診したが、デルタ株の急速拡大により実施できず、パッケージの実用化に至らなかったのは残念であった。


・一方で、デルタ株の収束期に行われた、リアル・オンライン開催のイベントでは多くの方に関心を頂くことができ、次年度以降に共同活動のご依頼を2件頂くことができた。
 

得られた成果

【共通の成果】
・「防災」だけでなく「防災対策」に目を向け、それを自らの力で考え出すことができた。
・「いのちを守ることの大切さ」や防災に関する活動を通して「自己有用感」が増大し、意欲的に取り組む生徒が多くなった。
・「先生任せ」「生徒任せ」とせず、夏休みや土曜日などで互いに寄り添って活動できる時間を大幅に増加させたことで、互いに高め合うことができた。


【蓄光ブロックによる避難誘導】
・様々な世代が参加して防災対策を施すことができるパッケージ化に概ね成功した。
・強度面でも、作製面でも実用的な誘導ブロックの完成にこぎつけることができた。
【浸水害擬似体験装置の開発】
・マンホールや側溝蓋の浮き上がりによる落下や地上の隆起を再現した仕掛けを水路底面に細工を施し、危険性を印象付けることのできる装置に改良した。
・水流抵抗の負荷方法の見直しや水路幅の縮減を通して部品数を削減し、可搬性の高い装置にまった。


【FMBの作製】
・生徒自身が被災時の自身の生活環境に思いを巡らし、生活に必要な最低限の食料、空間、就寝環境、排泄環境の検討を行うことにより、防災を「自分事」として考えられるようになった。
【防災公園の設計】
・これまでに学んできた知識を用いて、「強さ」だけでなく、「しなやかで多機能」に着目し、防災公園を設計することを通して、他者の想いに自らの思いと知識・技能を重ねて具現化する手法を身に付け、また識者の評価をフィードバックすることで、それらを高めることができた。

 

【防災公園の設計】
・これまでに学んできた知識を用いて、「強さ」だけでなく、「しなやかで多機能」に着目し、防災公園を設計することを通して、他者の想いに自らの思いと知識・技能を重ねて具現化する手法を身に付け、また識者の評価をフィードバックすることで、それらを高めることができた。

 

【防災活動の成果の公表】
・3年間の集大成の年として、多くの場に出向き、生徒・教員ともに活動成果の公表と共有に努めた。

<生徒発表分>
■「SDGs AICHI EXPO 2021」での出展(2021年10月)
■「名古屋市立大学サステナビリティシンポジウム」での発表(2021年11月)
■「第16回持続可能な明日を目指すシンポジウム ~いのちつながる 街づくり担い手づくり~ SDGs実践報告会」での発表(2021年12月)
■「令和3年度全国中学生・高校生防災会議」への参加(2021年11月から12月)
■「建設技術フェア2021in中部」への出展(2021年12月)
<教員発表分>
■「工業教育(2021年11月号)~特集 自然災害と防災教育」の掲載(2021年11月)
■「ESD for 2030 AICHIプロジェクト(文部科学省補助事業)」の成果報告会での発表(2022年2月予定)

・実践的な活動と成果の公表活動とを積極的に取り組み、現在企業および外部機関から来年度以降の連携活動の実施に向けたご提案を頂くことに繋がった。

実践者
種別 氏名 連絡先 グループ名 地域防災Web 連絡
学校防災担当 都市システム科 亀田 好洋 名古屋市立工芸高等学校都市システム科/工芸防災チーム 防災対策情報推奨用(試験ページ)
学校防災担当 インテリア科 伊東 匠 名古屋市立工芸高等学校都市システム科/工芸防災チーム
関係者 なし
関係者説明

名古屋市立工芸高等学校都市システム科/工芸防災チーム
本校都市システム科は、前身の土木科が1943年に創設され、1989年の学科改編を経て、今年で創設79年を迎える伝統のある土木系学科です。「しなやかに伸びゆくまちづくり」を支えるために、柔軟な発想と様々な視点からまちづくりについて日々研究しています。

 

【蓄光ブロックによる避難誘導】
 ㈱アヤハ環境開発丈達氏・大地設計コンサルタント森田氏
 レックスサポート近藤氏
 蓄光セラミックスに関する知見照会:丈達氏
 舗装設計に関する知見照会:森田氏
 コンクリート製造に関する知見照会:近藤氏


【浸水害擬似体験装置の開発】
 (一財)中部地域づくり協会神谷氏・中部大学都市建設工学科武田教授
 浸水害危険性VR体験:神谷氏
 流水抵抗に関する知見照会:武田教授


【FMBの作製】
 豊橋市防災危機管理課石野氏・碧南市防災課磯貝氏
 避難所開設キットの知見照会:石野氏
 FMBの知見照会:磯貝氏


【防災公園の設計】
 豊橋市公園緑地課伊藤氏
 公園の設計基準:豊伊藤氏


【防災活動の成果の公表】
 関係者多数のために省略。

実践人数
7
実践開始日時 2019年04月04日
実践終了日時 2022年03月31日
実践地域
愛知県
名古屋市千種区
名古屋市東区
名古屋市北区
名古屋市西区
名古屋市中村区
名古屋市中区
名古屋市昭和区
名古屋市瑞穂区
名古屋市熱田区
名古屋市中川区
名古屋市港区
名古屋市南区
名古屋市守山区
名古屋市緑区
名古屋市名東区
名古屋市天白区
豊橋市
碧南市
常滑市
実践場所
本校、愛知県中小企業会館、愛知県国際展示場(実践活動)碧南市役所、豊橋市役所
参加対象
参加人数
100
報告資料・成果物

報告書全体(一括閲覧)名古屋市立工芸高等学校(全体).pdf
実践団体情報(概要)名古屋市立工芸高等学校(概要).pdf
プラン1名古屋市立工芸高等学校(詳細).pdf

使用経費

3万円未満~50万円未満

補助金情報 なし
達成目標
知能・技能を身に着ける 大いに
思考力・判断力・表現力を身に着ける 大いに
学びに向かう力・人間性を身に着ける 大いに
施設・設備を整備する なし
達成度
知能・技能を身に着ける 大いに
思考力・判断力・表現力を身に着ける 大いに
学びに向かう力・人間性を身に着ける 大いに
施設・設備を整備する なし
必要条件
導入予算
なし
継続予算
なし
準備の所要時間
60 日
実践の所要時間
なし なし
必要な場所
必要な能力、人材、機材、ツール、知識等

土木工学の専門知識(特に、道路工学、河川工学)、防災行政、被災時の避難生活に関する助言

導入手順・工程表

年間活動記録名古屋市立工芸高等学校(年間活動記録).pdf

関連情報 なし
メッセージ
メッセージ
なし
実践事例の属性
対象ハザード
対象リスク
なし
固有災害名称
なし
入力者グループ
名前など 地域防災Web
三浦伸也
入力者 運営事務局
メモ

※「1.内容/(7)実践人数・(13)参加人数」の値は、プランごとの人数の平均値を使用
※「4.必要条件/(3)準備の所要時間・(4)実践の所要時間」の値は、プランごとの該当時間の平均値を使用